天才の安売り

至る所にある現象で、日本では特に狭い世界とされる所で起こる。
政治界や経済界などはもちろん、将棋界やスポーツ界でも。

日本スケート界にもある。女子シングルなら伊藤みどり荒川静香安藤美姫、男子シングルなら佐野稔・本田武史高橋大輔あたりが特にそう呼ばれただろう。もっと言うと、全日本選手権に出るレベルにもなれば、2人に1人位の確率で経験あるかもしれない。いずれにせよ、自分に言わせれば全員天才ではない。

天才の解釈は人によりマチマチだが、定義は「生まれつき持つ優れた才能」に加えて「きわめて独自性の高い業績を残した者」といった所だ。後半の”きわめて独自性の高い業績を残した者”もポイントの1つであり、故に上記6人はやはり違うと言える。そもそも、これ程の事を成す者がポンポン生まれようはずもない。一方、今の現役含めて、日本スケート界から天才が今後出る事もまたないだろう。

何故、天才の安売りは横行するのか?1つは興業として盛り上げるためだ。メディアがよく使う。この事に限らず頭を使わなくなった日本人は、そういったセンセーショナルな単語や表現を、餌をもらう雛鳥が如く待ってさえいる。もう1つはスケート界はとても狭く、異常な言動をしても変に思われにくい事だ。中にいる者は世間知らずで乏しい知識から言いやすい言葉を連呼しているに過ぎないのだが、外にいるものはよく知らないため特に取沙汰しない。

両方知っている者から見ると、はっきり言って滑稽だ。