ナショナルトレーニングセンター


日本はよく「スポーツ関連予算が少ない」というが、これはかなりいい加減な話だ。拾いやすい一部の数字だけを比較しているだけと言ってもいいのかもしれない。


ナショナルトレーニングセンター、通称NTC。文科省下にあるトップレベル競技者向け施設で、ここの一覧を見ると、驚くほどたくさん存在している。前回冬季五輪で指定ステッカーがないのと体重オーバーとで失格になったソリといい、とても必要と思えない競技にも豪華で過分なハコモノが提供されている。一方で、障害者スポーツの選手は厚労省管轄なので殆ど利用できないとか。


自分は基本的にスポーツは政治でありお金だと考えている。そして選手は駒または道具だ。幼稚な思考では理解しづらいようだが、こういったものを制御し課題を抱えながらもバランスを保って運営できてこそ、すばらしいのだと思う。精神論を振りかざすと、その足元にある問題が見えにくくなったり隠されてしまう。そして選手に対しては、頂点に立てば名誉とその後の特典を得られるのを目標に、あえてまずは道具になるくらいの気概と自覚を持てと言いたい。


叩けば叩くほど埃の出てくる業界だが、もう一つ。五輪開催時に帯同するコーチやトレーナの数は、日本がダントツで異常だ(出場選手より多い)。しかし記者たちはスタジオに呼んでの秘話だの家族の話だの、下らない上に中学生でもできる程度の報道に熱心だ。