スケートアメリカ観戦レポ#2-女子シングルSP-


テレビ朝日にうんざりしながら、スケアメその2です。NHK、頼む、来季は必ず放映権取って・・・。荒川さんも言わなくても分かるような事しか言わず、何だかなーという感じ。もう少し選手視点での発言して欲しいのだけど。
あと、リンク下にしこんだというマイクは、うるさいのでやめてもらいたい。どーせならリンク傍の人に聞こえるものを拾ってほしい。


浅田舞選手
緊張がすごかったようだけど、いつもの蝶よ花よから少し毛色を変えた曲を使った、いいプログラムだと思う。表現したい何かがあるように見えるが、まだそれを出す事ができずにいるという感じはするが。プログラムだけで言えば、これが一番良かった。安藤選手でも見てみたいかな、という気がする。せっかく十代なので、Exでもいいから、溌剌としたのも見たいな。エッジ系ジャンプよりはトゥ系ジャンプの方が得意なようだが、明らかに両足着氷だった3Lz+2Tはともかく、3Lで減点くらっているのはちょっと痛いかな。Transition/Linkig Footworkが目立って低いので、ここがもう一段上の選手になるための壁なのかも。


エミリー・ヒューズ選手
ぱっと見の体格からは想像できないような、高い柔軟性を持ってるなと毎回思うが、今季はさらに磨きがかかってる。途中からビールマン姿勢になるSpSqではLv4であるだけでなく、加点もすごい。スパイライル好きのアメリカ観衆に対して、アピール度満点だと思う。最後のスピンは苦しそうな姿勢で、蚊もとまれそうな程のノロイ回転なのは面白かった。アメリカ人!という雰囲気のパワー選手で、若手アメリカ女子シングルの選手の中では一番いいなと思う。さらに言うと、姉のサラよりも好みだ。一つ一つの要素で「どうだ!」という、アピール力は、ぜひ日本選手にも見習ってほしい。プレゼンテーション能力を遺憾なく発揮するタイプのため、ムラが大きそうだが、波に乗ったら非常に怖い選手になると思われる。笑顔って大事だなぁと改めて感じた。一緒に食事したら楽しそうな選手No.1かな。


キミー・マイズナー選手
突出はしていないが、競技得点(TSS)と構成点(PCS)をそれなりに揃えている。やはり上位にくる選手だなと。TSSではあまり加点がないが、シーズン序盤なのでこれからなのかな。PCSではTransitionが目だって低く、ChoreographyやInterpretationもあまり芳しくない。これもモロゾフの振り付けらしい。大変な売れっ子振付師なので、少々供給過剰で質が下がってるのかもしれない。もともと演技的なものが薄い選手なので、モロゾフの振り付け自体が、今の彼女には厳しい気すらする。


安藤美姫選手
門奈コーチはセカンダリなのか。やけにモロゾフが貼りついてるなと思った。プライマリはこの人なんですね。それはともかく、SPはやや力が入りすぎてるかなという感じ。見てる方も力が入っちゃうというか。終始肩が上がっているし、詰め込みすぎな印象を受ける。モロゾフ作のプログラムは総じて男性的な内容なので、女子シングルの選手が演技した場合、力強さは出るが負担も大きそうだ。2箇所くらい、ステップの前後にでも、緩やかに見える部分を作った方がメリハリも出ていい気がするのだが。SPでの浅田真央選手との差は、そのままプログラムの質の差だろう。振付師対決でローリーが勝ったと。SPはローリーが、FPはモロゾフが得意な分野であるのも利いてる気がする。本人で言えば、フォアのストロークやStSp後半でかなり前傾姿勢になるのを治したら、もっと大きく見えていいかなと思う。この選手の最大の武器ともいえる3Lz+3loが確実性を取り戻しつつあるだけでなく、密かに?得意な分野に入るスピンもビールマンへ移る部分がかなり滑らかになっていたのが印象深かった。プロトコルを見ると、1位の浅田真央選手と比べ、TSSは殆どLvとGOEともに高いがPCSが概ね低い。やはりChoreographyも負けてるし。全体的にガチャガチャした感じがあるせいか、Transitionも少々抑えられている。


浅田真央選手
本当に素晴らしい出来だった。衣装も演技とよく合っていていい。淡い青のショートパンツを下に付けたようにも見える、若手の選手らしい、スポーティかつ可愛いコスチュームだと思う。プログラム単体での完成度も高いが、FPと合わせて「勝つ」ために無理をしない構成となっている。FPとセットで計算していると思われる(SPとFPのどちらかは振付師がモロゾフになる予定だったのを、ローリー一本に絞ったのもこのせいか?)。強く確実性の高い部分をかき集めて、FPに向けてよい流れを作れるようにしてあるのが見て取れる。冒険をしていない分、気持ちに余裕もできるので、気力や体力も温存しやすい。この年でこういう作戦ができるレベルにある事に、強さを感じる。フリーレッグを股の辺りに持ってきて行うスピンは織田選手もやってたけど、コーチの指示だろうか(似たようなのはスミス選手もやってるけど)。ステップはLv3を取っただけでなく、半分のジャッジが+2を付けており、特訓の成果が出ている。Interpretationはそんなに高いかな〜?と思わなくもないが、SPでは一番良かった。



にしてもTV朝日!何度も言うが延々と同じ選手ばっかり流すのはやめんかい。あと、日本の3人もいらない。一番見たかった一人のカナダのミラ・リュン選手もカットだし。しかし、転倒があったらしいが、浅田舞選手にも負けるとは思わなかったな。