脳科学の最前線 1


少し前に、NHKで放送された追跡!A to Z、『脳の秘密 未来はどう変わる?』より。
およそ1,300gである脳について、最新技術を使い、いくつかのアプローチから検証していく番組だ。脳だけで1.3Kg・・・頭重いはずですね。


追跡 No.1 --- 私たちは天才に近づけるのか? ---

埼玉の理化学研究所に羽生棋士がやってくる。脳の活動部位をMRI(磁気共鳴画像)で確認するためだ。ここの教授は、「直感力」が天才である1つの条件として捉え、どこがその働きをしているのか、直感思考をするにはどうしたらいいかを探ろうとしていた。検査から分かったのは、以下の2つだ。


1. アマチュア棋士との差として、大脳基底核尾状核の活発化が見られた
上から6cmぐらいの所にある。足や手の”行動の習慣化”に関わる、と言われていた。タッチタイプが慣れると早くできるようになるのも、コレのおかげらしい。しかし、今回の結果から、運動だけでなく”思考の習慣化”も扱っている可能性が出てきた。とは言うものの、結局は、毎日毎日やり続ける努力が天才を生んでいた・・・と言っている。棋士へのアンケート結果から、具体的には(将棋以外についても)毎日3時間、それも集中してやればいいらしい。

2. プロ棋士の中でも、羽生さんだけはさらに嗅周皮質と脳幹にある網様体も同時に活動していた
どちらも具体的な働きはまだまだ不明らしいが、脳全体のネットワークを司る要の部分とか。


えっ・・・仰々しくやってこれだけ?というのが正直な感想。予想の範囲内じゃないの?技術進歩で詳しく見る事ができるようになり予想が当たっていたのを確認しました、ならまだ分かるけど。直感といったって、積み重ねてきた経験の中から最適なものを瞬時に選んでるだけだし。1秒より遥かに短い時間で、条件確認->莫大な量のデータベース検索->検索結果の出力という3つの仕事を流れ作業でするのだから、ネットワークの中枢を使ってないと考える方が無理がある。毎日3時間という下りも、調査するまでもなく誰だって分かっている事だ。


時々、学者というのは賢いんだかアホなんだか分からない時があるけど、これは番組構成上そう見えただけだと思いたい。