2009 ジャパンオープン 2


今回は海外男子選手の皆さんを。


サミュエル・コンテスティ
インカンテーション『シクリアダス/カチャルパヤ』より。アンデス民謡らしい。確かに、そんな感じの衣装を着ている。『コンドルは飛んでいく』のような笛の音も入っているし。まだ調子が上がってないような動きで、全体的に精彩を欠いた。振り付けは有名ドコロでなく奥さんが作っただけあって、手垢も付いてなく面白いけど、ハイライトの部分がないせいか少し長く感じる。しかし、この選手はフランスから、そして2番目のゼレンカ選手はチェコからと、純正イタリア男子シングル選手はどうした。


ジェフリー・バトル
ジェラルド・フィンジ(イギリス)の『ピアノと弦楽のためのエクローグ』を、本来の競技仕様に近づけて参加した。1回目の3Aは途中で開いて2Aになってしまった。Lzは調子が良くて、後半のものも危なげなく着氷した。一方で、3Loを入れてないようだ。後は割りと現役の頃と遜色なく、引退したのが惜しまれる。でも、試合用として見た場合、1位を取るのは難しいプログラムだとも感じた。本当に美しいけれど、FS『アララト』にあった、力強さが不足している。気に入った部分として、織田選手もいつぞややっていた、フリーレッグを上げての片足ストップ。地味に難しいと思う。


ステファン・ランビエール
アストール・ピアソラ(アルゼンチン)の『ブエノスアイレスの秋』から。あー、やっぱりこう何人かの選手と並べて見ると、点が出るのも分かるなーという感じ。音楽を小道具にして自分の世界を作るの上手い。3Aを失った状況は変わらないが、その代わり3+3を2つ持って来てるし、GOEで+3を狙えるスピンもある。加えて足首、股関節、そして可動域の広い肩を有効に使っている。どんな柔軟運動をやってるのか、そしてブレードを何使っているのか知りたいなあ。ところで、結果的にとはいえ、彼が現役復帰した事でチーム欧州だけプロがいないのはどうよ。


ジェレミー・アボット
サン=サーンス(フランス)の『交響曲第3番 オルガン』より。昨季、安藤選手も使っていた曲で、音源も同じっぽい。3週間前に今のコーチの振付けへ変更したようだ(止めとけばいいのに、とか思ったり)。音から想像するに、すごく痛そうな4Tの転倒だったけど、ケロっとしてたので大丈夫そう。前半は小塚選手のプロでもよく見かける腕を使った振り付けを何度も行い、後半は安藤選手のそれを焼き直しをしたように見えた。まあでも盛り上がりやすいスケート向けな曲だし、本人に感性があるためかPCSに点が出ているから良いのかな。


トリノ組が1位と2位か。うーむ。