2009 GPS エリック・ボンパール杯 2


男子FS後半グループについて


ブライアン・ジュベール
FSはRonan Hardimanの『Ancient Land 』から。ヤグディンプロがソルトレイクシティオリンピックのEXで使った曲らしい。しかし、振付師がデンコワ・スタビスキー組みとは・・・。それはともかく、全体的に集中しきれてない感じがした。久しぶりに4Sを見た気もするけど、残念ながらダウングレードに。3Lo+3Tとは珍しいが、コンビネーションジャンプは結局これ1つだけだったので、やっぱり点も振るわなかった。まあでも、スロースターターなので、あんまり心配はしていない。NHK杯に期待。


ヤニック・ポンセ
昨季の持ち越しプログラムで登場。右バックアウトから3カウント目に3Aを跳ぶようだけど、体を前に向けるのと同時にいきなりジャンプに入っている。これが失敗しやすい原因なんだろうか。側で滑ってたらこっちがビクっとなりそう。一歩一歩よく滑るし体もそれなりに大きく使っているけど、何となく独りよがりというか、観客を見ていない演技をするなと思う。その辺もPCSに影響しているのかなあ。一定調子なのも気になる。あと、何もかも全力でやるために、スタミナが続かないのかもしれない。


セルゲイ・ヴォロノフ
何か痛そうな4Tの転倒でしたね。氷に体を叩き付けた訳ではないけど、こわい体の捻り方をしていた。で、いきなりヘロヘロになりながらも滑りきった。根性見せたという感じだった。サーキュラーステップの所の音楽は、ジョニー・ウィアー選手の『キングオブチェス』っぽかったがはて。と思ったら同じカール・ジェンキンスによるものだった。プルシェンコ選手が復帰して少し微妙な立場になったかもしれないが、頑張って欲しいな。


アダム・リッポン
SPに続いて良い演技でしたね。後半グループでは一人爽やか路線というか。大きな大会で一番にはなったりしないけど、中の上から上の下くらいにいつも居そうな選手だ。ジャンプやスピンの後、チェックをきっちりするのが良いと思う。スピンの後なんてミョンミョンとフリーレッグがしなってるし。ジャンプはあまり得意でない処といい、どちらかと言えば、ジェフリー・バトルタイプの選手かなと思う。


織田 信成
いやー、すごい!跳ぶジャンプ跳ぶジャンプ、面白いように決まるし。ジャンプ能力の高さが加点にもよく表れていて、2Aを除いて加点が1.2以上もある。体の柔らかさを生かした、しなやかな動きも冒頭から存分に取り入れ、演技自体も広がりのあるものに。何より本人が途中から楽しそうに滑っていたのが良い。昨季遅くなったなあと感じた、スピンの回転速度も大分戻ってきた。後は4回転も入れつつ、完成度を上げればいい訳だし、一気にバンクーバオリンピックのメダル有力候補になったかと。衣装のせいで見た目がジュニアの選手にしか見えない。パリ市内で迷子になって見知らぬ女性に助けられたというが、買ってもらった切符は子供用ではなかったのかと疑ってしまった。しかし、今試合を見て、モロゾフコーチはわざわざ高橋選手と同じ傾向のSPとFSを用意したのではないかと感じた。やれやれ。


トマシュ・ベルネル
映画『ゴッドファーザー』のサウンドトラックより。衣装はカッコよくて良いと思う(後ろのラメは要らないと思うけど)。プログラムも結構良い感じだけど、最後は盛り上げて終わる構成の方がいいなあ。FSは昨季のも良かったし、この選手は割りとプログラムの当たりがいいように思う(衣装も非常に良かった)。最初の4T+3Tといい前半は絶好調だったのに、ちょうど半分くらいから崩れてしまった。明らかにスタミナ不足ですね。相変わらずシットスピンも冷水を浴びせられるように、「アレ〜」な出来だし。こう何年も同じ弱点を持っているのを見ると、さすがにコーチ側の問題な気もする。でもSPと違って滑りが戻ってきていて安心した。



ルール改正のためか4回転を跳んだ選手が多い中、跳ばなかった選手が表彰台の2つを占めた。