井岡雅宏 #1 画集

この夏のジブリ映画『借りぐらしのアリエッティ』公開に際し、関連グッズが本屋にまとめられているコーナーで見つけました。2001年4月に初版、2009年7月に第二版とあります。要はアニメの背景絵とその設定集なのですが、”井岡雅宏”という名前も、本画集で初めて知りました。しかし、その絵については絵画といっていいレベルだと思いますし、いつかそう評価されて欲しいです。


井岡雅宏画集―「赤毛のアン」や「ハイジ」のいた風景 (ジブリTHE ARTシリーズ)


A4版(本体価格2,300円)で、美術ボード59点、着彩美術設定8点、そして美術設定147点にて構成されています。収録作品は『赤毛のアン』と『アルプスの少女ハイジ』のものが多く、その他は下記の通りです。高畑勲宮崎駿、土田勇、阿部泰三郎、保田道世、松土隆二各氏へのインタビューもあります。
『ふしぎの島のフローネ』、『アルプス物語・アンネット』、『あらいぐまラスカル』、『太陽の王子ホルスの大冒険』、『みつばちマーヤの冒険』、『草原の少女ローラ』



享年44歳、すでに亡くなられていた事にも驚きました。しかも絵は使い回されたり、散逸したりであまり残っていないそうです。この画集にも収められている素晴らしい作品が、今後埋もれる事なく、影響を与え続けていけばと願うしだいです。


特に『赤毛のアン』の背景絵は、井岡さん作品群でも最高峰のものだと思います(これはインタビューでも何氏か言及しています)。自分もアンの時の絵が圧倒的に好きなので、これの美術ボードが最も数多く載せてあるのは嬉しかったですね。一方で、次に多い『アルプスの少女ハイジ』のはいくらか割いてでも、『アルプス物語・アンネット』の分をもっとたくさん見たかったです。


冒頭、高畑勲さんは彼の絵をして、”絵画的感覚的レアリスム”と言っています。聞きなれない言葉です。さらに『ゴッホ全油彩画』の第二巻を見て、井岡さんを思い出したそうです。ただし具体的にどの絵画なのかまでは書かれてません。何故なのか、どれを見てなのか気になりました。その本自体を見てみたいのですが、ちょっと難しそうなので、近くの書店などでゴッホ絵画集を何冊かめくりました(最寄大学の図書館辺りに行けばいいのかもしれないけれど)。



続く