2010 カーニバル・オン・アイス


前回の続きのようなもの。10/2に開催されたアイスショーについて、テレ東放送順にて感想を。



羽生 結弦選手
ツィゴイネルワイゼン(P.サラサーテ)』
今季のFS。昨季のネグリジェっぽいのもだけど、今季もまた変わった衣装に。一昔前の中国選手みたいだ。それはともかく、早い時期からギラギラした目つきをしている珍しい選手ですね。今の日本トップ3含め、日本男子シングル選手にはこのぐらいの年にはボヤーっとしてて、「スポーツ選手」という雰囲気でないのが多いから新鮮かも。いつまで満々のヤル気が持つか不明だけど、末楽しみではないでしょうか。


キャシー・リード選手 & クリス・リード選手組
『So She Dances(ジョシュ・グローバン)』
今季のFDらしいが、またしてもダイジェスト・・・。色合いはともかく、女性の衣装が要素のたびにキレイに見えなくなる変なデザインであるのと(特にリフト)、男性の衣装がシャツを出しているのは動きにくそうな上に女性の衣装とも何だか合ってない、というのが気になる。選曲は悪くなさそうだし、最後の長いスピンは非常に雰囲気が出ていて良かった。


本田 武史プロ
『アランフェスより愛をこめて(ホセ・カレーラス)』
イーグルは後のバトルプロ、小塚選手と3者3様に素晴らしい。そろそろ違うプロ見たいなー。こちらもダイジェスト。


安藤 美姫選手
『Why do people fall in love ?(リンダ・エダー)』
白い衣装といい今回のEXの方向性、浅田選手と被ってますね。FSの曲は織田選手と同じだし、同国選手と重なる事が多い気がする。柔らかい腕の使い方とか、随分動きがキレイになったと思う。彼女はレイバックがとても美しいので、競技プロでもこれをハイライトにもって来たプロを見たいですね。2007年世界選手権のFSでやったものは、ポスターとかアチコチで見かける程だったし。ただJOでもしていた変な表情は止めてもらいたい。演技直後の笑みはいいのに。あと今回のサルコーを見て思ったが、大得意の割りに加点が少ないのは、前のめりで着氷するからかなと。


エフゲニー・プルシェンコプロ
『Je suis Malade(セルジュ・ヲマ)』
まず衣装が激しく動いたりする度に、はみ出てるものがあってみっともないと思った。それと、荒川さんでいうイナバウワーのような、シンボル的な動きなのかもしれないが、あのバタバタステップが何とも・・・。表情もワンパターンだし、ちょっとプロとして物足りないですね。


サラ・マイヤー選手
『Why Don't You Love Me(ビヨンセ)』
競技プロといい、選曲が割と幅広いのはいいんだけど、如何せん表情がずーっと変わらないのがね。損していると思うんだけど何故だろうか。ダイジェストでした。


ミハル・ブレジナ選手
雨に唄えばジーン・ケリー)』
ダイジェストなんであんまり感想はないのだが、得意のジャンルっぽいし、中々いいのではないだろうか。一度バトルプロで見てみたい曲ではある。


サーシャ・コーエンプロ
『私の愛するあなた(ライザ・ミネリ)』
空気みたいだった7月の韓国アイスショーと別人のようだ。上半身の筋肉もすごくて動きにキレもあったし。いわゆるハマリプロなのかも。ピンクの照明も演技と合っていたし(途中からブルーになったのは残念だった)。アメリカ人っぽい、プレゼンテーション力を生かした演技内容かと。一番良かったです。


小塚 崇彦選手
『free fallin'(ジョン・メイヤー)』
持ち前であるスケーティングの良さを生かした、佐藤有香さん作にしては珍しい、中々良いプログラムかと。所々妙な振り付けやダサい軌跡があるにしても、会心の一発に近い作品だと思う。でも、途中で寝転がるのとシャツを出してボタン外すのは止めて欲しいなあ。毎年EXそんなだし。あと歯・・・今更だが何で矯正しなかったんだろう。


ジョアニー・ロシェット選手
Die Another Day(マドンナ)』
小塚選手と続けて見ると、美しく見えるようにするにはスケーティングの良さだけでなく、”姿勢の良さ”や”シャープな動き”も必要なんだと改めて分かりますね。本当にキレイな滑りだと思う。後は、先のマイヤー選手程ではないが表情変化にもっと富んで、腕などの上半身の動きがしなやかになるとって所でしょうか。曲が単調なので、スケートを見慣れない人には、特に後半退屈な作品だろう。衣装もだが、ピアスも素敵でした。


川口 悠子選手 & アレクサンドル・スミルノフ選手ペア
ツァラトゥストラはかく語りきR・シュトラウス)』
またすごい衣装だが、絵画っぽいなと思って調べた処、ロシア画家のレナ・ハデスの作品に似た感じものがあった。いい成績になってもらいたいが、前シーズンにもちょっと書いたように、今季はもう完全に力量について、スミルノフ選手の方が川口選手を上回っているように見えた。スミルノフ選手は毎年確実に上手くなってるなと思う。プログラム自体はハイライトもはっきりしてて中々良いかと。しかしこの曲を聴くと、どうしてもキューブリック監督の『2001年宇宙の旅』を思い出すな。


ジェフリー・バトルプロ
『Sanglasses at Night(コリー・ハート)』
ハートのPVと衣装も動きも全然違うので、独自解釈でこの作品は作られているようだ。何となく、『マトリックス』のスミスを自分は思い出したけど。選曲いいですね。テンポといい、スケートに合ってるし、結構見てて楽しかった。試合よりはいくらか良いみたいだけど、動きにあまりキレはなかった。


荒川 静香プロ
アヴェマリア(F.シューベルト)』
衣装は大変美しいが、本人にはちと可愛すぎる。特に髪飾りがそういう感を強くしている。さらに言うと、音楽とは全然合ってない。この曲でブレイズ編みやビキニタイプはありえないと思う。プログラムも、ただひたすらキレイなだけで印象に残りにくいし。日系コラムで、”自分はアーティストタイプ”と面白い事を言ってましたが、間違いなく彼女はアスリートタイプなので、調子のいい時限定でもいいからルッツや3+3を入れたプログラムを見たい。


高橋 大輔選手
アメリヤン・ティルセン)』
上下がイマイチ合ってない衣装だ。それはともかく、メディアでやたら表現力を強調されているが、実際はこういう感じか今季SPのような感じかの2パターンしかない選手だなと。特有の首を振る動きも多すぎ。口を始終空けているのも何とかならないものだろうか。清潔感のなさが、こういう処からも出ていると思う。ランビエールプロに教えてもらったのか、スピンは格段に安定かつスピードが上がりましたね。


浅田 真央選手
『バラード第一番(F.ショパン)』
殆ど曲と合ってない振り付け、ツイズル多用、そして進まないスケーティング、とこれまでのプロや選手と比べて見劣りがする。スケートに伸びがないものだから、リンクが余りまくっているし。あとアンコールのFS後半だが、試合ではそれまでのジャンプミスのせいで押されてるのかと思ってたけど、この部分だけでも音楽の速さについていけなくて最後のスピンを失敗してますね(ドーナツかキャッチフットに入ろうとして間に合わずに止める)。小走りする箇所も明らかにズレてる。



佐藤有香さんの妙なイントネーションは相変わらずでした。