キャンベル国際競技会 観戦レポ


全体的な感想として、盛り上がらないなーと。若手中心のせいか、つまらなく感じた。団体戦なのも×。仲良しこよしではなく、張り詰めた空気の方がいい。やっぱりフィギュアは個人(組)ですな。


| 男子シングル

スミス選手は、いつもの佐藤有香さんなら、ボロクソに言いそうなスケーティングで驚いた。ストロークも何だか平坦で伸びがないし、フォアのクロスも「何だこれは」という感じだし、更には何が言いたいのか意味不明の演技ときてる。にもかかわらず、ジャンプは殆ど成功したために、高橋選手より点数が上という。
高橋選手については、そんなヘボいのに負けるなよ!に尽きる。スピンもグダグダだったけど、全体的にキレがない。靴を1週前に変えたということだけど、もう中堅なので、上手く調整してもらいたいなあ。でもプログラム自体は、慣れてくるのが待ち遠しい印象を受けた。やっぱり、他の選手にはない、何か違うものを持ってるせいだろう。
殿、いえ織田選手はちょっと硬い感じだったけど、素晴らしかった。3Aをはじめ、よく練習してるのが伝わってくる。今回スピンの名手は女子を入れても彼だけなので、よけい見栄えがした。あのいかにも「吹雪いてるけど、今から薪取りに行ってくるよ」という感じの衣装でなければもっといいのに。
中庭選手は残念だった。雑誌か何かのコメントで、意気込みがすごかっただけに。高橋選手もそうだけど、今ひとつ「勝ち」への欲求が足りない気がする。今回男子の一番は、ウィアー選手かな。


| 女子シングル
舞選手は、よく言われることだけど、本当に華があると感じさせられる。特に何もしなくても綺麗に見える。静止画を見ると驚くほどゴツい体格だけど、滑る姿では微塵も感じられない。これは妹にはないものなので、存分に生かしてほしい。半ば妹のオマケとしてアメリカへ行った訳だが、予想通り、効果は姉の方に分かりやすく出ている。スケートでガシャガシャ煩いのはまだあるけど、スピードが出てきたので、普段の喋り方そのままのトロくさい感じもなくなった。案外バンクーバーでは、妹が出ずに姉が出ているかも。
安藤選手は振付師がモロゾフなせいか、荒川さんのトリノFPと似た衣装だった。昨季は最悪の年になったが、成長期も越え、今季一番期待できるかもしれない。実は?浅田姉妹より華奢な体つきなので、それを生かした演技も見たいところ。3Lz+3Loではなく、3Lz+2Loなのは残念だったけど、1つ1つの要素を丁寧にこなしてるのが分かる。特にスパイラルは、昨季の「オラよ!」っという感じがなくなり、滑らかになっていた。プログラム自体もよくあるのと逆に、ジャッジ席からみて、左手から展開される作りになってて新鮮な感じだ。女子では期待通り、ダントツで良かった。
真央選手は、前半は非常に良かったけど、後半どんどん崩れて雑に感じた。特にステップをする辺りから、ヴァイオリンの音と完全にズレているのが気になる。リズム感は悪くない選手のはずだけど、曲の速さについて行けず、しだいに遅れが大きくなっている。本人を置いて、曲だけが勝手に進んでる感じが大きく、プログラムにも問題ありそうだ。スピンもやはりまだ苦手のようで、他の要素のできが高いだけに、ここだけガクっと落ちる感じが強い。手を腰に置いて、足を大きく開いて「フンっ」という所は、いい振り付けで気に入った。3F+3Loについては、3loで立て直したというか、ファーストジャンプよりも高くて余裕十分なのはさすが。3人の中で一番出来が良くなかったけど、シーズン始まったばかりなので、十分なのかも。衣装センスが恩田選手に次いでひどい選手だが、このFPのは、あともちょいという感じ。

コーエン選手は、新プログラムでないなど、やはり無理やり担ぎ出された感じが。髪もアップにしてないし、明らかに試合でなく、エキシビジョンな雰囲気だ。それでもある程度魅せるのは、ベテランならでは。試合での見収めでないと、いいけど。
マイズナー選手は、何と言うか、本当に技術だけって感じでつまらないなーと。パッと見が、教室の隅でノート写してそうな雰囲気を持つ、今までにない感じの米選手なのは、とてもいいのに(本当に褒めてるのか?)。ヒューズ選手は、ちょっと痩せたなというぐらいか。


直に見たせいか、中野選手のスピンがいかに素晴らしいか、良く分かった。あの「シャシャシャシャシャ」という等間隔の心地よい氷削音は、簡単には作れないのだと。