2007日米対抗フィギュアスケート競技大会 観戦レポ#1


新横浜プリンススケートリンクにて。立ち見で4,000円とか5,000円とか、高すぎだって。いやー、何と言うか、正直「行かなくて良かった」と。シーズン開幕時とはいえ、水津選手以外は何かあったのかと思わずには居られない程、特に日本女子選手は精彩がなかったし。番組構成は会心のデキだったのに、何て残念な・・・。


【ステファン・キャリエール選手】
FS『Zoot Suit Medley』なんだけど・・・、あれ、こんな顔だったっけ?これまでの写真と違って見える。ボストンにあるクラブ所属で、エミリー・ヒューズ選手の振付けもやってるマーク・ミッチェル氏をコーチの一人としてるみたい。山田太郎こと、スコット・スミス選手のコーチでもあるようだ。3T+2T+2Tの2Tは、どちらも腕を上げてジャンプしている。バリエーションも違うし、こういうのも面白くていい。けど、加点はほぼないのか。ジャンプは得意らしい。2Aは3Aを跳ぶ予定のものだったのが、失敗しただけなのかも。味も素っ気もない、無味無臭なプログラムで、一昔前のアメリカ人男子選手っぽいせいか、微妙に古くさくも感じた。


【町田 樹選手】
Jr.の有望選手が、FS『白鳥の湖』で登場。いきなり3A+2T->3Aと続けて、それもJr.の体付きで非常に高いジャンプだから驚いた。多少入りに癖がある気もするが、素晴らしい。ただ、スピードあるようなのに、リンクフェンスからかなり内側を滑ってる。まだ滑りこめてないようだが、サーキュラーステップで何かを表現しようとしてるのは、よく分かる。ただ2Sの辺りでは、露骨にスタミナ切れが出てしまった。直前のストレートラインステップも、したのかしてないのか分からないくらいだったのはそのせいかも。演技終了直後、下を向いてトボトボ滑ってたが、印象が悪くなるぞ。隣で見てたお方も「締めキッチリしろよ」とお怒りでした。憧れの高橋先生と今季同じ曲を滑るので、気合入れて行こうじゃないか。しかし、キスクラの場面だが・・・、キャリエール選手、寂しい!!!誰が一人ぐらい、この際、スタッフでもいいから座ってあげてくれ。所在ない感じじゃないか。


【中庭 健介選手】
髪を切って、浪人生みたいな雰囲気が解消されGood。しかし、体脂肪率3.2%とか言う以前に、シニアの選手と思えない程細い。よくあれで4回転とか跳べるなぁ。元々太らないタイプなのかもしれないが、痩せすぎだ。新SPは前季の小塚選手と同じ、『サラバンド』を採用した。小塚選手のは完全に音楽負けしてる印象だったが、音源が煩くない事もあり、こっちのが良いな。せっかく4T+2Tを降りたのに、技術点が30点に届かず残念。スピンとスピードが課題みたいだけど、まず筋肉つけた方がいいと思う。それと、ステップが2つともLv.1なので、早急に対策が必要だ。あと、もう少し顔上げて演技すると印象が違うと思うぞ。


ライアン・ブラッドレイ選手】
今回はいやに正統派できましたな。しかし、スピード遅!なるほど『ゴッド・ファーザー』が異様にテンポを遅くした編集をされてる訳だ。4回転が入らず3T+3T、続けて2Aと幸先の悪い序盤に。しかし、何か妙にシットスピンは綺麗に回ってるな。と思ったら、スピンとステップに力を入れたとの解説が。成る程。でもフライングシットは、腰の位置が高すぎて減点対象に。こちらもステップが2つともLv.1だし。片方はモロゾフ氏の振り付けのようだが、こっちではなくFS『チャップリン』の方だろうか。何と言うか、バトル選手の『アディオス・ノニーノ』に、多少影響受けた感じの振り付けだなぁ。4人しかいないが、最下位に。


【南里 康晴選手】
おお、『月光』か。ジャンプで稼ぐタイプに見えて、意外にしっかりと曲に乗ってくる選手だなと思う。ただ、ストレートラインは合ってないというか遅れてる。キャメルスピンのポジションはきれい。そんなにスケーティングに難があるようではないのに、リンクの使い方が狭いので、もっと端まで行けば迫力も出るのでは。こちらは、ステップの辺りの振り付けが、やや高橋選手のプログラムに影響を受けている感じがする。サーキュラーステップは、割とどの選手・プログラムでも、ストレートと違って自然に入っていけるので、ピアノ音楽と相性がいい気がした。とりあえず、最後の、手をブラブラさせるはやめい。


ジョニー・ウィアー選手】
元の路線に戻すという話通り、中性的なプログラムに。コーチも変えた。配色は前季と同じ感じだが。SPの曲は『Yunona i Avos』という、ロシアのロックオペラらしい。振付師はFaye Kitarieva氏とな。地味に良かったが、今はまだ音楽に頼ってる感じ。得意の3Aでお手つきがあったものの、今の時期としては、かなり良いデキでは。スケーティングスキル高いし、本人もキスクラで満足気だ。今季、期待できるか?しかし、全員集合Vでは、女子を含む全アメリカ選手の中で一番可愛いとは何事だ。あと、「昨年相次ぐミスで、自滅してしまった日本男子」のVで、何故いきなり映る・・・。とりあえず、SPダントツ1位おめでとうございます。DVDは売れたか?


【高橋 大輔選手】
ロミオとジュリエット』か。にしても、衣装がまたしても紫はいいとして、そのフリフリとか左胸の刺繍だかアップリケは一体何だ。4Tを続けて2回跳んだが、2回目転倒後の立ち上がりがすごく早い。バトル選手に、”正しい4回転ジャンプ転倒後の、素早い起き上がり方について”を習ったのだろうか。シットが深〜くなってますな、やっぱり。真っ先に槍玉に挙げられそうな、高いポジションだったからね。後は特に序盤スピードがなく、曲にも全然乗れてなかったのが印象的だった。仕上がりの遅れは、アイスショーへの過剰な出演回数のせいかなぁ。ストレートラインステップは、昨季FSのそれと似過ぎ。でもLv.4を取った。サーキュラーステップはカッコ良かった。サーペンタインを描いてるのかと思ったけど。ちょっと体が細くなったね。FS1位だが、2位のアボット選手と10点と差がない・・・。思わず本人も「低!」とこぼした。


ジェレミー・アボット選手】
FSはトム・ディクソン氏の作品で、4曲のワルツから構成されている。EX含め、全部振付師違うのか。ブラッドレイ選手と同じクラブの所属で、コーチも一人は同じらしい。小技を利かせた、中々のスピードなのだけど、まだイマイチ印象が薄いかな。ゴテゴテし過ぎかもしれない。にしても、アメリカってホント、アホみたいに選手層が厚いですな。だからなのか、公式サイト見ると、シニアの試合はこれ1つし
か予定がない。4回転も持つ、一通りなんでも出来る選手なのに、もったいない。全米4位なのに、GPS派遣なしとは。


日本人男子選手は皆、”シットスピン注意報”に敏感に反応してましたな。あと、アメリカ国歌が流れている時の映像を見ると、その身長差からペア4組がいるかのようだ。