2007日米対抗フィギュアスケート競技大会 観戦レポ#2

身長といい、スタイルといい、日本女子選手は容姿で完全にアメリカを上回ってましたね。とか言ってみる。


【長洲 未来選手】
あー、最近話題の子ですね。子供に興味ないんで、「うんうん、すごいねー。また今度ねー」って感じかな。ニコル氏作のFS『Coppelia』は、想像通りの振り付け。Jr.スケータ特有の、感情のない、無機質な滑りを逆用している。で、Strong Pointが、”コンプリートスケーター”?今に始まった事じゃないが、意味不明にも程がある。


【水津 瑠美選手】
FSは『Strange Paradise, Kismet』から。神宮クラブで重松コーチのお弟子さん。今季神宮クラブの選手は、活躍の場が多いよう。TVを意識したのか、目にも鮮やかないい衣装だ。大人っぽい顔立ちに合ってる。姓や名も綺麗だ。Lzが苦手なのか1度も入ってないのが、まず気になるかな。後半の3T+2Tを、3F+2Tにしたいトコ。LSp3はビールマン姿勢で2回転しか回ってないのが、Lv.4にならなかった原因かと。毎度解説で3秒維持について言及する、樋口さんがヘッドコーチのリンク所属なせいか、やっぱりスパイラルの長さには余裕がある。あとせっかく曲のカッコいい所をストレートラインステップに持ってきてるので、できれば作業的にするのでなく、1箇所ぐらいジャッジを見てのアピール用振り付けが欲しいかな。面子を考えると、すごく緊張したろうに、本当に頑張ってたなぁ。今回日本選手の敢闘賞は、彼女のものだろう。ただ、口を終始開けたまま滑るのは、すぐ止めた方がいいと思う。あと、笑顔忘れてるよ。キスクラでなくて、氷の上で作ろう。ダブルデッカーは身長が分かりにくいが、159cmらしい。


キャロライン・ジャン選手】
軟体の子供スケータその2。Jr.どころか、ノービスっぽいのに、この振り付け・・・。何考えてるんだディクソン氏は。悪趣味にしか感じられない。衣装も、綺麗だけど年齢と不釣合いですな。トゥ系ジャンプの時の、やけくそのようなトゥの付き方が印象的だった。例のパールスピンって、ここまでくると、子供相手に何ですが正直気持ち悪い。荒川プロのイナ・バウアーも苦手なのに。あれ、正面から見ると首なし・・・。


【安藤 美姫選手】
女王登場。SPはサン・サーンス『Samson and Delilah』より。神より得た洒落になってない強さを持つサムソンと、その彼を誘惑して弱点を聞き出すデリラを主人公とする、歌劇を扱っている。艶っぽい彼女には合ってると思う。コンビネーションジャンプのファーストジャンプ着氷で乱れ、痛そうな音と共に転倒してしまった。3Fはしかし、ちゃんとインエッジから跳んでるし、すごい高さだ。スパイラルは1つ目のポジションは良くなってるけど、バックアウトのは前のがいいや。珍しくLv.の取りこぼしも多いが、最初のコンビネーションジャンプの失敗のせいかもしれない。どちらにせよ、作ったばかりなのか、全体的にはまだ全然仕上がってない感じ。痩せたせいか、何となくスタミナを失ってるようにも見える。前季くらいの方がいいのではないかと思うけど。モロゾフコーチも付き合いがいいのか、ついでに痩せてるし。お遊びの大会とは言え、いきなり最下位とあまり幸先は良くない。妙に暗い雰囲気なのも気がかり。でも、一番死角のない選手だし、ぜひ世界選手権連覇ないしはGPF優勝を目指して欲しいな。


レイチェル・フラット選手】
今回貴重な白人女性選手。しかし、眉毛薄いせいか、ちょっと恐い。隣のお方はがタイツの色が変だと指摘していたが、自分もそう思う。ブラッドリー選手やアボット選手と同じクラブ所属のようだ。ここってアメリカのジャンプ選手養成所か。SPは『It Ain't Necessarily So』で、ジャン選手と同じくディクソン氏。さらに同じく3F+3Tを入れてきたが、ダウングレードされている。傾向を見るにマイズナー選手と被りそうな感じ。というか、まぁ、まだどうでもいいけどね。


【浅田 真央選手】
SPはタラソワ氏の作品で、『ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア』から。手の部分はロシアの衣装でよく見るが、何て言うんだろう。好きだなぁ、あれ。ただ、首のトコロが太すぎて、ムチ打ち患者にも見える。3Fの直後は、Lzからのコンビネーションに変えたのかと思った。ビールマン姿勢のスパイラルでは、一工夫入れてていいけど、見てる方がハラハラしますな。ちょっとバランス崩しただけで、間違いなく後頭部から氷に打ちそうだ。バレエジャンプから入るストレートラインステップは、凝りに凝ってて素晴らしい。実際、女子初のLv.4!加点もすごい。さらに身長が高くなったせいか、リンクが小さく見える。安藤選手やバトル選手もSPにバレエジャンプ入れてるし、今季の流行なのか。しかし、ロシア音楽らしい感情の強く出た曲なのに、淡々と同じ調子で滑るから音楽と分離した感が強い。いつもそうだが、仏作って魂入れずというか。さすがの点だが、ちょっとトランジションが低いかな。あと、T字ストップは足を前に出すタイプを使うが、たしかに女性選手はこっちの方が見映えが綺麗だ。


【村主 章枝選手】
お嬢、モスクワより出撃。「抜群の表現力と安定感」って紹介、嫌味か。FSにピアソラの『Oblivion』を持ってきている。昨季の浅田舞選手と同じ。しかし、テーマが”忘却”って、曲名の意味そのまんまじゃん。新コーチは来ていないが、代役として?人間になったフランケンシュタインみたいなのがいる。衣装だが、他の3人と比べると、お金かかってなさそうな感じがしてならない。もうちょっと高価そうなの着ようよ。コサージュはいいけどさ。せっかくロシアにいるんだし、ロシアの焼き直し衣装の1つに、一工夫入れたのが見たいよ。いきなり派手に転倒し、1回もコンビネーションが入らなかったが、3Lz+2T->3Fの黄金パターンを崩したのはスゴクいい。軌跡まで毎度同じだったからね。多すぎるジャンプミス、今にも止まりそうなA字スピン、そしてノロいステップから出た点は何と100にも届かなかった。ボロボロですな。2Lzのあと、「えーと、次何だっけ。あっそうだ、2Aか」って感じだったのが笑える。まぁ、2Aが2回とか昨季よりは間違いなく頭使った構成になってるとか、ジャンプの助走が短くなったとか、多少明るい兆しが見えなくもないが。うーん。帰ったら、みっちり怒られて、死ぬ気で頑張って下さい。というかやれ。おい、フランケン、とっとと引きずって帰れ。って思ってるのに、妹さんのBlogを見ると、EX翌日に一緒に飲んでから帰ったらしい。あーもー、あのバカ娘。状況を理解してくれ、”忘却”じゃなくて、”消失”になるぞ。あまりに失敗が多くて分からないけど、プランではジャンプ構成どうなってるんだろう。小芝居を入れる隙間がない程、細かい点含め、多分いろいろ入れてるのだとは思うが。コーチがアイスダンサーのせいか、リンクを放射状に隅々まで使ってるし。体力いるぞこれは。そして構成は結構複雑なので、ステップもLv.4を狙えそうな気がする。大抵の人がそう思うだろうが、最後思い出したように、唐突に元の曲に戻さずそのまま終わった方がいいのでは。ところで、ズーリンコーチはタラソワ氏とあと一人(忘れた)と協力し、ペア8組(だったと思う)を育てるらしい。ロシアにとって、ペア>アイスダンスなのか?3人でラインダンスを氷上でしてたのは衝撃映像だった。


【ビアトリサ・リャン選手】
FSはニコル氏振り付けの『Yellow River Piano Concerto』。ループが得意で、サルコウがやや苦手らしいが、今季3+3の導入を予定してるらしい。まぁ、2番目に国内競争の激しい国にいるしね。ジャンプの失敗があったが、それよりもスパイラルの最後が、ピタっと止まるのが気になる。Lv.4はFSSpだけだし、ストレートラインステップの前に無駄が多いのも要改善点かと。そしてそのステップもちょっとヨタヨタしてる。2A+2T+2T(今回サードジャンプが1Tになっちゃったけど)は、昨季は2A+2T+2Loだったのに。単独のLoもLzに変えてるから、Loがなくなっている。苦手なのかな?最後の決めポーズが早すぎなので、音楽と合わせたい。キスクラで一人そっぽ向いて、形だけ拍手するジョニ子、ちょっと、それはないんじゃないか。コーチ2人とも俺様ことライサチェク選手と同じだが、一緒にランチする姿とか全く想像できん。マルケイ選手とは違う意味で、生命力を感じるというか、存在感があってよい。彼女は小気味よいスケータで、巷で人気なのも頷ける。


大転倒大会。日本側は世界選手権の金メダリスト1名と銀メダリスト3名、すごい顔ぶれなのに負ーけーたーー。がくっ。公式戦でないけど、負けには違いない。メダリスト以外は少しでも資金欲しいトコだろう、頑張ってあげてよ。そして、いよいよGPが始まる。皆さん、怪我のないよう、いい試合をして下さい。