2007GPSスケートアメリカ 観戦レポ#1


ついにGP戦始まる。いやー、待ちに待った瞬間ですね。という訳で、Sovereign Centerという、61x27mのやや長細いリンクで開幕です。Google Mapで見ると、Penn通りにある、線路真側の立地らしい。公式ホテルはSheraton Reading Hotelとあるので、「何ぃ」と思ってホテル予約サイト行くと、あんま高くない。でも、チケットは1万円近くと、日本を除くGPにしては高いんだよなぁ。スポンサー離れのせいか?


【南里 康晴選手】
いきなり登場。場数を踏む度に少しずつだけど、垢抜けてきてる気がする。顔もそう悪くないし、後は皮膚科へ行けば。最初の3Aは本当に高さもあるし綺麗だ。スピンを見ててもそうだが、軸をとるのが上手なんだろうな。コンビネーションで失敗しかけたが、根性でセカンドを付けたのがよい。すぐに諦めてしまっては、もったいないしね。やや下を向き気味の演技なので、それを直しただけでも、随分いいじゃないだろうか。CiStは完全に音楽に遅れ、SlStも後半になるにつれ遅れ気味になるのが気になる。次は60点超えを。


Ryan BRADLEY選手】
思いっきりカメラ目線から。4T+2Tを狙ったが、途中で体が開いてファーストが3Tになってしまった。だから、セカンドを3Tにしたって感じ。次の3Aも同じような理由で失敗している。でも高さはすごい。スピンもあまりよろしくないし、ステップはよたよたしているし、順当に行けば本来全米で表彰台に乗らない選手だなと改めて思った。イメージチェンジのためか、正統派で来てるけど、うーん。キスクラで彼を労うTom Zakrajsekコーチの姿がいいですね。


【Karel ZELENKA選手】
イタリアのエース登場。といえば聞こえはいいが・・・。全イタリアの男子シングルがどんななのか、一度見たくなってくる。TESが4回転跳んでない、高橋選手の半分もないのは何とかしたい。前季と異なり2Aから3Aになったが、そもそも跳べているのかアヤシイ。地上トレーニングも氷上練習も、他のGP参加選手に比べて少ないんじゃないかと疑わずにいられない。体付きをみても、全然鍛えてる感じがしないし。あと、そのパンツのラインやめよう。ジャージみたいだよ。ん?コーチがKarel Zelenka sen.ってどういう事だ。コーチ不在って事か。しかも振付師の欄も空白だし。キスクラにいる人は、イタスケ連関係者かな。


【Andrei LUTAI選手】
ミーシンコーチがこわ〜い顔して見守る中、ギリギリ手も付かずに4回転を踏ん張った。けど、単発のが3Loとは珍しい。さらに男子であまり見ないドーナツスピンをしている。でも、完全なドーナツ状態に入ってから2回転しかしてないので、Lv.上げにならないかも。タチアナ奥様(タラソワさんとは別人、念のため)と2人でこの選手を見てるようだ。振付師に記載がないので、コーチが作成しているのか?ジャンプの出来不出来でガラっと点の変わる選手なので、斑がある。今回は良い方が出たので、5位となった。ダビドフ選手のように、長くトップ付近でウロウロしそうな気がする。童顔なので、キスクラではどー見ても、爺さんとその孫だ。


【Kristoffer BERNTSSON選手】
さすがに今年は新プロにしてきたが、うむ、やはり小芝居系か。両足滑走が多いなぁ。フリーレッグもピンと伸ばす事が少ないし、まだまだスケーディングスキルが伸びそうにない。スピンに注力して強化し、技でもう少し見せ場を作りたい。今季の世界選手権では、是非ともスウェーデン国旗を揚げるべく、気合い入れて頑張れ。地毛は黒のようだが、金髪の方がいいので、ちゃんと染めて欲しい。あと、君も皮膚科行こう。ちなみに、学生だけど、電気系エンジニアのようだ。


【小塚 崇彦選手】
まずは、その服なんだ。マラソン選手じゃあるまいし、何故に名前を書く。しかも前と後ろで、フルネームかい。相変わらずスケートはよく伸びるんだけど、何となく全体的に雑に感じた。それと「俺(僕?)はやるぜ、やるぜ」という気持ちが強く出すぎて、自滅してるようにも見える。3Aが決まったのを見るに、筋トレの効果が出てるよう。スピンは得意だけど、キャメルはだんだん足下がってきてるぞ。にしても、常にバックの片足スネークしているイメージがあるな。どのプログラムを滑っても、曲以外、あまり大差ないように思えるが・・・。振付師を変えた方がいい気がする。まあでも、確実に伸びそうだし、楽しみな選手だ。


Kevin REYNOLDS選手】
どっかで聞いた名前、と思ったら、映画監督と同じなのか。何ていうか、すごい印象的な顔・・・。失礼ながら、少しクローズダウンで見たいかも。でも今回は、この手の、鼻がすごく高くて、歯並びの悪い出っ歯な選手が多い。顔の話はこれくらいにして。サンデュ選手と同じ、振付も行うJoanne McLeodコーチに師事しているらしい。背中に棒でも入っているかのように、本当に真っ直ぐな、傾きのないジャンプを跳んでいる。なので、あんまり高くないけど、回転スピードが速いために4S+3Tが跳べる。サルコウトゥループの組み合わせ自体があまり見ないし、インパクトがある。足はすごく長いけど、顔が幼いせいか、176cmもあるようにはみえない。うーん、今のトコロ、あんまり魅力的じゃないなぁ。しかし、やっぱりカナダ選手、色物系だ。


Patrick CHAN選手】
平均年齢をまたも下げる選手が。男子も世代交代の波か。前のコーチが亡くなられたので、Don LawsとEllen Burkaの2人になったようだ。キスクラに居たのは爺さんなので、Laws氏だろうか。いつ見ても同じような衣装だ。振付師はニコル氏。止まらない、よく滑る素晴らしいスケーティングなので、本当にリンクの端から端まで使っている。16才とは思えない。見た目も、どことなくオッサン入っていて、滑りと合わせて年齢を詐称してるんじゃないか?とさえ思ってしまう。小塚選手が奥行きのあるスケートだとすると、彼は奥行きに加えて横幅もあるといった印象だ。ついでに度胸もあるのか、ホームリンクで滑ってるかのようだ。とりあえず、次回までに衣装と、何より髪型変えてもらいたい。滑ってないと中国選手に見える。今季のダークホースは彼っぽい。カナダも国内争いが大変そう。2枠なのに。


【Alban PREAUBERT選手】
ベルントソン選手がM型小芝居系なら、こちらはL型の小芝居系選手で登場。せっかく大きいのに、小芝居だけでなく、もっと体全体を使った動きが見たいなぁ。図体でかい癖に、手の動きが小さい。シラク大統領といい、フランス人って大きいイメージが付いたよ。ところで、彼はこう見えて?、エリートお坊ちゃま学校在籍らしい。成る程、振り付けをモロゾフ氏に頼めるはずだ。キスクラでも妙にブランド臭いというか、お金持ってる感じあるし。お父様の職業は何なのでしょうね。で、演技ですが、スピード感はさすが。氷飛沫を撒き散らしながらの3Aは迫力抜群だろうに、カメラワークが悪くて残念。1列目の人は、おおって感じだったろうな。特に大きなミスはなかったけど、ステップがどちらもLv.1なので、急いで修正を。楽しませてくれるが、前季とそんなに大差がないようなので、来季もやるとヤバイと思われる。


【Stephen CARRIERE選手】
解説の通り、サーキュラーステップからという、珍しい構成。衣装だけど、刺繍のあるパンツはいいとして、上下が合ってない気が。アイスダンスの経験があるという触れ込み通り、非常に滑りはきれいなんだけど、日米対抗の方がよく滑ってたカナ。Lv.はどちらも、あれ1か。うーむ。右足と左足で、差がありすぎるし。後半になるにつれ、動きは良くなっていったけど。スピンは本当に1点で回ってて、回転速度もかなりある。ジュベール選手のように、Jr.で全て前季は制覇したとは凄い。が、よく言えば伝統的な、悪く言えば少々古くさい感じもする。最後のスピンの締めに回し蹴りする、ひと工夫はいいな。コーチはちょっとハリソン・フォードに似てる?十代にも関わらず、すでにして、前髪の量でコーチにも負けているのが泣ける。


Evan LYSACEK選手】
また黒ずくめかい。でも、本当に嫌味なくらいスタイルがいいので、下手な衣装着るよりいいのかな。シットスピンをした時なんて、フリーレッグがどこまではみ出てるんだよ!って感じだし。右足ツイズル回数も増えて凄いっと思ったら、あれ、左足は2回転?直後に足換えすると、差がハッキリしすぎなので、やめた方がよいのでは。4回転のミスを感じさせない程、後半は渾身の滑りで、意気込みが伝わってくる。が、2位に。この時期としては、非常に良いデキだけど、相手が悪かった。彼が伸びた以上に、高橋選手は伸びている。パーフェクトでも1位は無理だったろう。それにしても、彼のInterpretationが7点台なのを見ると、本当に何を基準に点付けてるのか、分からなくなってくる。どうせなら、エッジケースも黒にして欲しかった。。


【高橋 大輔選手】
もう、なんというか、先生凄すぎ!カッコイイ!一人違うレベルでしたね。ヒップホップを持ってくる保険として、曲を『白鳥の湖』という王道中の王道にしたのだと思うが、どうやら杞憂のようで良かった。スケーティングスキルも、何と8点台が3人も。その他の項目にも8点台は幾つか見られ、2位以下との差が歴然としている。SlStがLv.1との事だが、とりあえず、今回そんなのもうどうでもいい。これだけ素晴らしい出来なのだから。長光コーチも感無量といった顔で、もうコーチの表情でなくなっている。ジャンプも細い軸で、高さもあり。回転中は美しいとすら言える。早くチャンプである、ジュベール選手との対決が見たい。


しかし、ガラガラだなぁ。