だってロシアだから#14近くて遠い国ロシア


Chapter#14 今あるロシア


にしても、ホンットに習った社会の知識が古くなっている事に笑えた。物も食料も豊富だし、道路を見ると外車は多いし、ブランド服を着たオシャレな人も多い。ロシア経済が何故こうも良くなったのか?理由は簡単で、天然資源が豊富だからだ。天然ガスや石油であり、これらが投機対象になってさらに価格が跳ね上がったらしい。一方で1次産業の育っていない事情があるから、先行きは明るいと言いずらいものの、少なくとも今は好景気の真っ只中にある。比較的最近のニュースでは、イギリスを抜いて、ついに物価世界一になったとあった。

 ホテル近くのスーパーの惣菜売り場

 その2、中はケーキではなくチーズ

 どこにでもあるキオスク


土地の売買も自由化された。バスから街を眺めていて、不動産らしき店舗は見当たらない。いわゆる一戸建てもだ。スターリン様式レーニン様式といった違いはあれど、入り口のデザインが異なる以外はどれも単なる直方体型で、頑丈なのだけが取り柄といったアパートばかりだ。


「一戸建てって見ないですね。不動産屋も。どこで部屋を借りるのですか?」
バスの車窓から、運転手真後ろの席に視線を向けて、質問をしてみた。
「新聞の広告欄を見て、コンタクトを取る処から始まりますね。だから、いきなりロシアへ行って、部屋を借りるのってかなり厳しいんですよ。一戸建ては、相当な金持ちが郊外に持ってるくらいで、一般の人が持つ事はまずないです」
こんなトコはまだ共産圏の面影が?と思ったら、それもちょっと違った。これらアパートのオーナは、先見の明を持った、当時ちょっとはお金のある人達だった。日本のマンション賃貸でもよくあるように、住むためでなく儲け目的に購入し、貸出しする事で定期収入を得てるのだそうだ。


今回ロシア杯へ行った時期は、ウラジミール・プーチン大統領の任期切れがあと半年と迫っていた頃でもあった。アメリカと同じく、大統領は1期4年で3選禁止となっている。2000年に就任、すでに8年が経過しようとしていた。


昨年11月のNHKクローズアップ現代で、プーチン大統領を扱っていた。何と支持率81%!すごすぎる。こんなだから、やっぱりというか、放送一月前に開かれた与党統一ロシアの党大会の中で、大統領退任後は首相に就任して堂々と院政しますと表明した。さらに、同年12月のロシア下院選挙では、統一ロシア比例代表名簿第1位に記載され、同党の選挙大勝に貢献する。プーさんの人気頼みって事ですね。


字があまりかけなくても参選できるよう、数字での投票が可能となっている


この前の北海道洞爺湖サミットに、メドヴェージェフ新大統領が来日している。ブッシュ大統領との、資源に関する会談中の模様をニュースで見た。就任ほやほやの若いロシア大統領が、任期切れ間近の還暦を過ぎたアメリカ大統領(といっても、福田さんなんて70才過ぎだけどさ)相手に、威圧すらしているかのように見えて結構衝撃的な映像だった。エネルギーの後ろ盾があるとはいえ、ブッシュ氏が弱弱しく見える。ついこの間まで、借金苦にあえいでいたように思っていたが。オーバーではなく、歴史が動いた瞬間だったんだろう。


ロシアというと、軍事費が国家予算で大きな割合をもっていそうだが、今や世界第6位で何と日本より下である。経済成長を最優先に置いた結果という。変わるはずだよ(遠い目)。


最後に、次期大統領と決まったメドヴェージェフ氏だけど・・・あああ、やっぱり法則発動!フサフサだあ。裏方で実績をあげてきた人だけあって、見た目そのまま、プラグマティストのようです。

※ロシア元首のハゲフサ法則とは
ソビエトの初代書記長レーニン(ハゲ)、次のスターリン(フサフサ)以降、この順を違えていない。ソビエトからロシアになっても、彼らはこの法則を厳守した(←違う)。