2010 ALL THAT SKATE Summer


本日SBSサイトで見た、今日実施のアイスショーより(ディレイ放送で何人かカットされていた)。いやー、規模といい豪華さといい驚き。たくさんのトップスケータを持つ日本でもこんなの出来ないのに、と素直に韓国はすごいなと思いました。と同時に、現在の日本の国力低下や、どれ程人気が出ても大人向けの優れたアイスショーを開催できない日本フィギュアについて、改めて残念に感じた。以下、印象にあった何名かについて。


カク・ミンジョン選手
まず新SP『カノン』を披露。白い衣装だが背中は昨季のキム・ヨナ選手のFS衣装を彷彿とさせる、銀のラインが入っている(最近流行ってる気もする)。シニアへ本格参戦するにあたり、フリーレッグを伸ばした滑りとか、スケーティングやつなぎをかなり意識しているのが分かる。衣装と合った、中々上品な良いプログラムだと思う。もう1つ、赤い衣装で年相応の可愛らしい感じのEXも滑っていた。キム・ヨナ選手の模倣臭が強いけれど、いずれ彼女の個性が出てくるといいな。でも、バキューンまではやりすぎ。


ジェレミー・アボット選手
まずはEXの『At this moment』。師匠の滑りのテイストが順調に染み込んでる感じの、気持ちの良い滑りだった。ただEXだし、もう少しオーバーなくらい動く部分もあるといいかなと。衣装も地味すぎる。次にSPと思われる『Viejos Aires』を披露。4Tを跳ぼうとしてたし(跳んだ瞬間に3Tへ切り替えたっぽいが)。腕の動きをふんだんに取り入れていて、より印象深いものにしようとしているのが伺える。ただそのどれもが既視感あるのと、少しゴチャゴチャ入れすぎなのが気になった。滑る姿を見ていると、明らかにジュベール選手より傾きがあり、滑りながらいろいろ出来るのが分かる。一方でジュベール選手のような華や個性はない。


ブライアン・ジュベール選手
『Love is All』と『Aerodynamics』を滑ったが、どっちも過去のEXのように思う。今季のはまだ出来てないのかな。「ぼく元気です」、という感じで明るく嬉しそうに滑っていた。昨季後半悩まされた3Lzも見事に決めたし、2人はいらないが1人なら楽しいプログラムだと思う。しかしEXとはいえつなぎが少ないのと、スピンが殆どないのは気になった。弱点はこれです!と主張しているような気すらした。


サーシャ・コーエンプロ
『Hallelujah』と『Mein Herr』を披露。欧米の選手なのにあまり太らないのは、見るたびに感心する。調子良くないというのもあるかもしれないが、一番パっとしなかったかなと。あと上半身を仰向けにフリーレッグを天井側へ上げるスパイラルは、誰がやっても下品にしか見えないので止めた方がいいと思う。2つ目を見て思ったが、プロの方向性はどれも安藤選手のEXと被ってますね。そーいや動きもどことなく似てるな。


ステファン・ランビエールプロ
『Let the good times roll』と『ウィリアムテル』を持ってきた。どうも調子がいいようで、キレ味が良かった。1つ目の方のラストスピンも、ほぼ一瞬だったが最高速度が本人比でもかなりあったように思う。SPのプロの方では、4T(それも2回)まで跳んで気合入りまくり。試合ではあまり良いものを出せなかったが、これがやりたかったプログラムなんだと思える素晴らしい出来だった。そーいえば、彼もあんまり太らないな。


キム・ヨナ選手
『タイスの瞑想曲』とニュースにもなっていた新EX『Bulletproof』を披露。まずタイスの方を演じたが、スピード制御技術というか能力は相変わらず見事だった。何度見ても、他選手に比べて突出しているそれを生かした良いEXだと思う。肩や腕の使い方の巧みさがよく分かるプログラムだし。まだジャンプは戻ってきてないようで、最初のルッツも(確か)サルコーへ変更したが結局パンクした。後半のサルコーと被るし3Tにすればいいのに。新しい方は彼女のもう1つの強みであるリズム感のよさを基調としたプログラム。「カッコよさ」を狙った、今時のK-Popのダンスを表現したような内容になっている。衣装は微妙だが、少し近未来風なテイストなんだろうか。両者それぞれ異なる強みを生かし、さらに内容も全然違うものを演じられるのがいいですね。


ミッシェル・クワンプロ
『Primitive』と『No One』でお目見え。本当に存在感がすごい。ただ滑っているだけで納得させられてしまう。1つ目はラベンダー色のセパレート衣装、もう1つはゴールドの衣装で登場。ずっと見ていたいような滑らかなスケートだ。何故かジャンプはあるのにスピンが1つもないプログラムだったかと思うが、滑りが素晴らしいのであまり気にならない。うう、生で見たかった!圧巻のスパイラルも健在。シャーロットが初めてきれいに見えたし、そのまま続けてピボットとか、さりげなくしかし難しい事をしている。女王は変わらず女王でした。


ミッシェル・クワンプロ とキム・ヨナ選手のコラボ
新旧女王コラボ。女性スケーター二人で、というのは珍しいと思う。ペアのような動きはもちろんできないので、二人の配置と互いの動きを計算しての振り付けとなっていた。つまり殆ど独自に動いている(まー、この2日ぐらいしか一緒に練習もできないしね)。どっちを見てよいか、カメラも追うのが大変そうだった。中央でキム選手がレイバックをしていて、周りをクワンプロがスパイラルする箇所が一番良かった。最後は互いを称え、手を取ってフィニッシュ。憧れの大選手と一緒という事で、キム選手が珍しく緊張しているのも印象的だった。


J sportsでやらないかな。