ソチ五輪 男子シングルFS2


TESとPCSについても少し。TESはジャンプやスピンといった要素の合計、PCSは「スケーティング技術」と「要素間をつなぐ技術」および芸術性3項目の合計で、本来両者を同じ位に獲得するバランスの良さが求められます。

フリーの採点結果を見てみると、バランスを最も欠いているのは高橋選手であると分かります。TES=73.27点に対しPCS=91.00。実に18近い開きがあります(今回平均して約3.26ほどTESよりPCSの方が高く、表彰台組ではチャン選手の7.30が最大)。技術点と言えるTES単体で見ると13位、完全に入賞圏外(9位以下)です。しかし全体では6位。PCSが最終順位を補完する形となっています。

このPCSには致命的とも言える欠陥があります。上述の”芸術性”は「演技力」「振り付け」「曲の解釈」と曖昧な上、項目には全く記載のない「実績」などグレーなものが「スケーティング技術」などに加味されるからです。TESは絶対評価でPCSが事実上の相対評価である事も、分かりにくさを助長しています。

TESとPCSの差に上限を設ける事(TESより10を越える分のPCSは切り捨てる等)、PCSを”「スケーティング技術」と「要素間をつなぐ技術」”および”芸術性3項目”の2つに分離する事、を提案したいです。バランスの良い演技の評価向上と、第三者がパッと見てもう少しは分かりやすい採点になる事、が期待されると考えます。


今日の英語: 上限を設ける
set(またはplace) an upper limit