崖の上のポニョ 1


言わずもがなながら、宮崎監督によるスタジオジブリの作品です。いつか書こうと思いつつ放置していたが、『借りぐらしのアリエッティ』の公開(7/17)が近づいてきたので。以下、2月に金曜ロードショーで放送したものを見ての感想となる。


公式サイトにある作品内容の解説に、”海に棲むさかなの子ポニョが、人間の宗介と一緒に生きたいと我儘をつらぬき通す物語。”とあるが、この一行が本当にすべてとなっている。第一感想は「何だこりゃ」というものだった。子供向けにしてもツッコミ所多すぎ。


という事で、サンプルとして宗介の母親リサを取り上げてみる。メイン主人公のポニョでないのは、一番普通の行動をしそうなポジションの彼女が一番とんでもなかったから。ツッコミ所が多いというより、普通でいる時の方が少ない。


・目玉のある明らかに異常な波が息子(宗介)に迫るのを見てるのに、「変な風ねえ」という感想しかもらさない。
⇒初っ端からお見事です。
・通勤で幅狭く見通しの悪い海岸道路を、猛スピード出して軽自動車を運転する。
・しかもその状態で朝食のサンドイッチを摂る。
⇒家で食べる時間は十分ありそうだったのに。行儀悪い上に片手運転していて危険極まりない。
・加えてまだ園児の息子を同乗させており、同様に朝食をとらせる。
・ドック入りしようとしている巨大な船の前を、これまたすごいスレスレで通過する。
⇒警備員も「早く早く」じゃない。とっくに一時通行止めにすべきだろう。何考えてんだ!
・髪や鼻まである人面魚を見ても驚かない。
⇒「可愛いじゃない」で済ませる感覚がすごすぎる。それ金魚に見えるか?
・息子がバケツに入れた生き物を保育園へ持ち込もうとしているのに止めない。
⇒「先生ダメって言わない?」と息子に聞く場面あるけど、ダメに決まってるだろ(ご丁寧に、後でそれはいけない事だと、同じ保育園の女の子が注意している)。
・一方でこれから保育園へ連れて行く息子は手ぶらのままにしている。
⇒普通、ハンカチとか連絡帳とか入れたカバンを持たせるはず。
・車を駐車させたはいいが、窓を閉めず、鍵もかけない。
・息子を助けるために海へ入っていったのに、着替えた様子がない処か濡れている様子もない(だからタオルなどで拭いたりも一切無し)。
・帰りに息子が助手席に座って食べているソフトクリームを運転しながら舐める。
⇒対向車と正面衝突しそうな海岸道路を走らせながらとか。
・夫が仕事で帰れなくなったと聞くや否や、息子の前で逆切れしてひどい格好をさらす。
⇒こんな親嫌過ぎるが、一方で、これが一番大きな反応って一体・・・。
・翌日?も息子共々同じ服を着ている。
・急な悪天候で強制帰宅となった保育園に、すぐ隣の介護施設にいるとはいえ息子を迎えにいかない。
・スコールのような雨嵐の中、またしても軽自動車に息子を乗せて爆走しながら帰宅しようとする。
⇒どう考えても介護施設にいた方が安全なはず。正気か!?職場の同僚も「大丈夫だから帰って」とバカな事を言う。
・帰宅途中、ドック入りする船の通路と交差している道路を、荒波が押し寄せているのにフルスピードで乗り切ろうとした。
⇒普通は引き返します。
・「電話がつながらない」と言う理由で、陸の孤島も同然の家に戻ろうとする。
⇒あのー、世の中には災害用伝言ダイヤルというものがあってですね。それと仮にアンテナで通信できたとして何の意味があるというのか。
(注)貨物船乗組員である夫とアンテナを使って連絡をとろうとしています。

・目玉を持ち唸りを上げながら迫りくる、尋常でない大波を見ても驚かない。
・カエルのような頭にニワトリみたいな手足の生物を見て、”女の子”と認識する。
⇒どー見てもグロい姿なのにどーいう感覚してるんだよ!!!
・さらにその生物が突然人型に変わっても驚かない。
・ポニョの妹たち(たくさんの人面魚が笑いながら大波と共に現われる)を見ても驚かない。
⇒どんな事があったらお前は驚くのだ。しかも玄関のドアを、鍵も使わずに開けたなー。
・帰宅後、びしょ濡れのはずだが、子供ともども入浴すらしない。
⇒タオル程度でどうにかなるものではなかったはず。汚いぞ。
・こんな悪天候なのに、警報を始めとする情報を得ようとしない。
⇒一度ラジオをつけはしたが、少しノイズがあったくらいですぐ切ってしまう。TV・ネット・携帯はどうした。どうせアンテナ立てたなら、それこそこれに使うべきだろう。
・夫や自分の職場、友達に電話しようとしない。
・ポニョを女の子とみなしていたとして、「どこの子だ」とか「親に連絡は」とかいった発想がない。
・呑気にもまずお茶にするが、すぐには使わないハムまで一緒に冷蔵庫から出している。
⇒カマボコみたいなのも持っているが、あれは何だ。運んだときにはカラのコップに、蜂蜜?を入れようとした途端、いきなりホットミルクが入ってるし。
・職場の老人たちがお腹を空かせているのを気にしてか、その日の夜にサンドイッチを持っていこうとする。
⇒その程度で足りるか?残るという職員もいたし、いくらなんでも当日分の備蓄がないはずはない。本当に職員か。
⇒その前に嵐が一応鎮まっている事だし、まずは電話してみようとしないとは。

・で、真夜中に、正体不明の生物と一緒の息子を崖の上の家に置き去りにする。
⇒今更だが、よくこんな場所に建設許可が下りたものだ。
・一緒に行くという息子に、「今この家は嵐の中の灯台なの。真っ暗な中にいる人は皆、この光に励まされているわ。だから誰かがいなきゃダメ。(中略)」と諭す。
⇒それなら電気付けっ放しで行けばいいのでは。というか、何でただの民家が灯台のマネなどせねばならないんだ。
・息子に携帯を持たせてない。
⇒こんな場所なら真っ先に固定電話は使い物にならなさそうだし、そういえば本人も持ってる素振りすらない。
・グランマンマーレ(ポニョの母親)とちょっと話しただけで、ポニョを預かる事に同意する。
・その上、息子の将来の相手にポニョがなるような事にも同意する。



ズラズラ書いたがこんな感じ。介護施設にはお婆さんばかりでお爺さんが一人もいないし、一々おかしいんだよね。