大人、スピンを習う 1


フィギュアスケートは今やすっかりメジャーとなった。しかし一方で、まだまだ習う人の少ないスポーツでもある。スピン、綺麗でカッコイイですよね。フラっと滑りに来た人たちが、気持ちだけはやろうとしているのを、よく見かけます。大人になってからスピンを習うとどうなるか?を書いてみたいと思う。


まずはイメージ。
少なくともジャンプよりは、取っ掛かりや難易度も低いと思われがち。しかし、「転倒とはほとんど無縁だろうし、少し回転するくらいなら自分だって」と思ってたらとんでもない勘違いだったりする。すぐに上達するかもしれないし、難しいポジションのために今から柔軟とかした方が良いか?といった心配はまずいらない。
※ あくまで難しいポジションのための柔軟、という意味で


次に条件と到達目標について。

(条件1)
ここでいう大人とは28才以上の者を指す。過去経験は、子供の頃に多少学校で習っていた程度以下とする(寒冷地ではそういう羨ましい授業があるそうだ)。


(条件2)
到達目標は、アップライト(スタンド)スピンで5回転とする。妄想や寝言について語ってもしょうがない。ビールマンやドーナツはもちろん、バックスクラッチやキャメルスピンも、地平線の遥か先にあるくらいの意識である方がちょうどいい。
ちょっと横道に逸れる話しを。「えー何、たった5回転!?」と思うかもしれない。でもバッチテストで要求される回転数は、基本的にどのスピンも5回転だ。第一、そんな10回転とか、簡単にできっこないです。


(条件3)
アップライト(スタンド)スピンで5回転、の詳細は以下の通りとする。

  • アプローチはバッククロス
  • 左足を軸とした反時計周りでのスピン(逆回転の人は、もちろん右足軸で時計周り)
  • カウントは両手を胸の前にやり、右足の靴が軸足の膝右側へくっついた態勢になってから(いわゆる「締めた」体勢)


条件だけ見ると、スピン以外について、バッククロスができていればOKに思えるかもしれない。が、スピン直前に左フォアアウトからのターンに似た動作が入るので、それなりにスリーターンも練習しておく必要がある(軸足が左ならLFO->LFI)。2,000〜3,000回くらい?
実際、バッククロスはあまり出来なくても行けるが(要はアプローチカット)、スリーターンは出来ないとスピン自体も無理となる。ちなみに、条件3を全て満たせたら、バッチテスト1級の1要素をこなした事になる。
※ テスト要綱にはアプローチについての言及がないから、本来、腕をブン回しその場で5回転周るだけでもよい。が、実際には審査員から「バッククロスから出来る?」とか要求されるので必要だ。


続く。